COMMENT

主演 あやぽんず*

下人役を担当させていただきました、あやぽんず*です。 ロケは実際に京都で行ったんですが、羅生門のトコロにいってビックリ! もう現存してなかったんです。
皆で考えあぐねていた時、カズトラさんが東京から京都まで歩いてきまして。見て思ったんです。おっきいから森羅生門の役をやってもらおうって!
実際の羅生門より、カズトラさんの方がずっと大きいんですけど、そこもご愛嬌ってことで見て欲しいです!


老婆役 あよ

羅生門は、芥川龍之介が『今昔物語集』の本朝世俗部巻二十九「羅城門登上層見死人盗人語第十八」を基に、巻三十一「太刀帯陣売魚姫語第三十一」の内容を一部を加えて書いた短編であり、生きるための悪という、難しいテーマについて描かれています。
芥川は、羅生門より内(平安京)を秩序ある世界、外を獣の世界に見立てました。
蟋蟀や鴉などの動物が存在することや、下人や老婆の所作を動物に喩えているのが特徴的で、物語全体に散見されます。人間の社会の法から逸脱した存在として、彼らに動物的・野性的なイメージを与えています。
また、下人が自問し、葛藤する姿は、「生きるためには盗人になるしかないが、人間としての理性がそれを押し留めている」という描写であります。下人はいわば人間と動物の間におり、老婆は悪の道に進み完全に動物となった役回りだと言えるでしょう。
羅生門こそが、人間と動物を分かつ門なのです。それがこの舞台設定が選ばれた理由だと考えられます。
このシン・羅生門では、老婆と下人の立ち位置が逆になっています。そこに着目すれば、より面白い解釈ができるかもしれません。